低身長をもたらす病気には、つぎのようなものがあります。
医療機関で適切な診断と治療を受けることが重要ですので、かかりつけの小児科などでご相談ください。

 

〇ホルモンの異常(成長ホルモン分泌不全性低身長症や甲状腺機能低下症)
何らかの要因で脳の下垂体から分泌される成長ホルモンや甲状腺ホルモンが不足する病気です。不足しているホルモンを補う治療で身長の伸びも改善することが期待できます。

〇染色体の異常(ターナー症候群、プラダー・ウィリー症候群など)
ターナー症候群は、2本のX染色体からなる女性の性染色体が1本しかなかったり、一部が欠けているために起こる病気です。日本人の女児では500人から1,000人に1人の頻度といわれています。プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体の異常による病気で男女ともにみられます。

〇骨・軟骨の異常(軟骨異栄養症)
軟骨無形成症と軟骨低形成症の総称で、骨や軟骨そのものに問題があって身長が伸びない病気です。線維芽細胞成長因子の受容体の異常が原因とされています。

〇臓器の異常(慢性腎不全など)
心臓、腎臓、肝臓、消化器官などの主要臓器の異常は、成長にも大きく影響します。実際に低身長から臓器の病気が発見されるケースもみられます。

〇子宮内発育不全(SGA性低身長症)
SGAとは「small for gestational age」の略で、出産時に身長・体重が小さく生まれる「子宮内発育不全」のことです。子宮内発育不全で生まれた子どもの多くは3歳くらいまでに平均身長に追いつきますが、一部に成長が追いつかないケースもあり、その場合、一定の条件を満たせば成長ホルモン治療を受けることができます。

〇原因が特定できないもの
原因となる病気が特定できない低身長もあります。家族性低身長症や体質性低身長症、特発性低身長症などと呼ばれています。食生活や睡眠、運動などの生活習慣を見直すことで改善されるケースもありますし、特定の条件を満たせば治療を受けることもできますので、医師に相談して適切に対処することが大切です。

 

【成長にかかわる疾患の患者会や家族会】
ひまわりの会(ターナー症候群)
シルバーラッセル症候群ネットワーク(SRSネット)
下垂体患者の会(下垂体機能低下症などの間脳下垂体疾患)
竹の子の会(プラダー・ウィリー症候群)
日本プラダー・ウィリー症候群協会
つくしの会(軟骨異栄養症)
つくしんぼ(軟骨異栄養症)
クレチン症(先天性甲状腺機能低下症)親の会・患者の会

・ポプラの会(成長ホルモン分泌不全性低身長症)
※順不同